ジュエリーの世界史 (新潮文庫)

ジュエリーの世界史 (新潮文庫) の詳細

著者はこの道５０年のベテランで、あの真珠の「ミキモト」の常務取締役・営業本部長を経て退任後､アンティークジュエリーの研究と販売をされていて､この世界の「表と裏」を充分承知されています。そのことも書かれていて、最後には「文庫版付録：正しい宝石の買い方､教えます」が､２０ページほど付いています。だから、星５個です。趣味は､この関係の書籍収集で､２，５００冊ほどあるそうです。著者がこの本を著作した本当の理由は､宝飾品､ジュエリーなどは､自分を美しく見せる小道具であり､身に付けてその役目をはたす物で､投機目的などで購入するのは､はなはだ､勘違いだ。と言いたいのです。この小道具（ジュエリーなど）の歴史は､人類と同じくらい古く､みんな､何かを身に付けて､他人と差異を強調させ美しく見せたり､同じ集団人の印にしていたのです。私の感想ですが、この本は普通に高校で習う「世界史」の「宝飾品､ジュエリー」版と言うところだと感じました。ただ、欠点は､数々の宝飾品の説明が文章で出てきます。これが､想像力をフル回転する必要があり､「百聞は一見に如かず」で、本の最初２ページにある様な宝飾品のカラー写真が必要と感じました。これがあれば､該当宝飾品やジュエリーの印象､全体のデザインや色遣いが一目でわかります｡（でも､それをしていると､本のコストとページ数が大幅に増えます）また､ジュエリーの歴史は､上記した様に､高校で習う､世界史：各国王､征服者､皇室､貴族や宝石の採掘地などと深い関係があります。それは、宝飾品を購入する人々が いるから創る人が必要になるのです。西洋は「階級社会」で､上記の階級者は平民からすると､雲の上の人で､何をどれだけ買おうと文句を言える身分でなく､そんな情報すら耳に入りません。ですから､これらに該当する上級西洋人と､日本人のジュエリーに対する感覚には大きなズレがあります。でも、真珠や中世から繁盛した色々な小細工のきいた工芸品や浮世絵は当時､西洋にショックに値するを与え､宝飾品にも多大に影響を与え､世界に今でも影響を与え続けています。でも、日本人は世界で一番質素な格好をした民族（皇族､武士たちでも）らしいですよ。元の本の話題に戻りますが、１．はじめに：３ページ ２．目次：２ページ（内容：①宝石うらばなし②歴史を作った男たち③ジュエリーの歴史④たかが宝石､されど宝石⑤文庫版特別付録正しい宝石の買い方､教えます） ３．参考文献：１０ページです。もちろん､カルチエ､ティファニ､デビアスなどの現代に残っているブランドの説明もなされています。長い歴史の説明がなされていますが、そのバックにある主旨は､何しろ「宝石類」は自分で身に付けて美しくなる物を選んでください､女性も男性も なのです。 また、色々な裏話が入っており､「な～るほど」と納得する お話も ありますヨ！